ずっと甘溺愛婚 ~それでも性悪お嬢様は俺様御曹司に溺愛される~
新婚生活に新しい変化が?
「きちんとしたご挨拶が遅れてすみません。私は二階堂 月菜です。狭山さん、香津美さんにはお世話になったのに、ずっとお礼も言えないままで……」
再会するなりペコペコと頭を下げる月菜さん。確かに真面目そうな彼女は、人一倍そういう事を気にしそうな感じではあったけれど。
「いいのよ、月菜さん。私も貴女がいてくれたから頑張れたの、世話になったのはお互い様だわ。」
あの時一人じゃなかったことがどれだけ心強かったか、あの状況でも一生懸命だった月菜さんに私は勇気をもらったのよ?
それに……柚瑠木さんは月菜さんには隠していそうだけれどね。
私はチラリと聖壱さんを見て微笑んで見せる、きっと彼なら分かってくれると思ったから。
「……ああ、その事なら何度も柚瑠木から礼を言われているよ。もちろん月菜さんの分も含めて。あと、俺の事は狭山ではなく聖壱と呼んで欲しいかな。」
そう言うと聖壱さんが月菜さんにニッと人懐っこく笑って見せた。きっと彼も月菜さんの緊張を解してあげたいんでしょうね。
「聖壱はどうしてそうやって余計なことまで話すんですか?僕は何度も聖壱の口を縫い付けてしまいたいと思っているんですけどね。」
隠していたことを月菜さんに話されて不満そうな柚瑠木さん。この二人のやり取りって結構楽しいかも。