ずっと甘溺愛婚 ~それでも性悪お嬢様は俺様御曹司に溺愛される~
「俺の妻が可愛すぎるんだから仕方ないだろ? 今なら柚瑠木だって同じことを言うだろうさ」
なんてそんな風に開き直られても困るのだけど、どうやら柚瑠木さんまでその仲間入りをしたらしい。この二人は正反対のようで似た所があるから、やはり幼馴染なだけあると思う。
「そんな事言っていられるのも今のうちだけよ。私達に子供でも出来たならば、聖壱さんはきっとその子にメロメロに……」
「子供が出来たのか、香津美!?」
大きな声を出した聖壱さんに強く肩を掴まれてこっちの方がビックリする、私はちゃんと出来たならばと言ったはずなのに。
まさかそんな勘違いをされるだなんて思っていなくて、慌てて聖壱さんにそうではないと伝える。
「違うわよ、この先そういう事もあるだろうからって……あら?」
ふと考えてみる。そう言えば前に月のお客さんが来たのはいつだったかしら、と。
私は基本的にあまり周期の乱れは無い方なので、あまり気にしていなかった。けれど私達が夫婦として愛を確かめ合う行為をしている以上は、その可能性は無くはないわけで。
「ああ、ビックリした。なんだ、俺の早とちりか……」
「ええ、そうね。聖壱さんは父親になる前にもう少し落ち着いた方がいいわ」
なんて軽く笑いながらも、頭の片隅でむくむくと期待と不安が大きくなっていくのを感じていた。