ずっと甘溺愛婚 ~それでも性悪お嬢様は俺様御曹司に溺愛される~
「珍しいですね、姉さんが実家に帰ってくるなんて。義兄さんと喧嘩でもしたんですか?」
久しぶりに実家に顔を出すと、妹の【なほ】が心配そうな顔をして聞いてくる。契約結婚だったことで家族に心配かけないようにと思って、なるべくココに来なかったからそう思ったのかもしれない。
「そうじゃないわ、聖壱さんとの夫婦生活は良好だと電話で言ったでしょう」
「本当に? これまでみたいに自由気儘に振舞って義兄さんを困らせていませんよね?」
あら? 今までは私にこんなに意見する子ではなかったのに、あの人との交際でなほも随分変わったのね。それが嬉しい様な、少し寂しいような不思議な気分になる。
……私も意外とシスコンなのかもしれないわ。
「そうじゃないのよ、今日はちょっと気になる事があって……なほに傍についていて欲しかったの」
「……姉さん、もしかして調子が悪いのですか? 顔色が良くないように見えます」
そう言ってなほは私の額に手を添え熱が無いかを確かめる。多分顔色が悪いのはその所為じゃないと思うけれど……
「あのね、なほ。私は今日ね……」
「……もしかして、おめでたですか?」
なほの言葉に私はドキリとして、続きが言えなくなる。まだ決定ではない、だけど彼女にはそう見えたのならば……やはり、そうなのかも。