ずっと甘溺愛婚 ~それでも性悪お嬢様は俺様御曹司に溺愛される~
「……柚瑠木さん、また私には何も言ってくれなかったんですね?」
聖壱さんに不満そうな柚瑠木さんをじっと睨んでいるのは月菜さん。どうやら月菜さんは柚瑠木さんに何も聞かされていなかったようね。
その何でも月菜さんには話さずに済ませようとするの、良くないと思うわ。
「いえ、月菜さんに話せば余計に気にしてしまうかと思ったので。聖壱達にはきちんと僕から話しましたし……」
「柚瑠木さん、私が言いたいのはそういう事では無くて……」
あら?この二人、前に会った時とずいぶん雰囲気が変わってない?事件の時にはまだ二人に距離があったように感じたけれど、今はちょっと近くなったような。
もしかしてあれから二人に進展があったのなら、ちょっと話を聞いてみたいわね。月菜さんの方がすんなり話してくれそうだし、ここは……
「まあまあ、喧嘩は二人の時にゆっくりとやってちょうだい?それより月菜さんが甘いものが好きと聞いていたのでお菓子を用意しておいたの。2人でお茶を飲みながらゆっくりお話しましょう?」
「え?でも……柚瑠木さんと聖壱さんは?」
そうね、邪魔な男2人は……
「そう言えば聖壱さん、久しぶりに身体を動かしたいと言っていたわよね?柚瑠木さんとジムにでも行って来たらどうかしら。」
「ああ、そうだな。柚瑠木、行くぞ。」
こうして柚瑠木さんは聖壱さんに任せて、私はゆっくりと月菜さんと二人の時間を楽しんだ。これなら問題なく料理教室も一緒に通う事が出来そうね。