ずっと甘溺愛婚 ~それでも性悪お嬢様は俺様御曹司に溺愛される~
「ありがとう。聖壱さん、仕事は……?」
自分の身体を聖壱さんに預けたまま、私が一番気になっていたことを聞いてみた。私だって彼の秘書として働いている以上は、聖壱さんにいい加減な仕事をさせるわけにはいかないもの。会社にはサポートの沖名さんもいるけれど、我が儘を言って彼に迷惑をかけていないかも心配だし。
「心配するな、今朝の会議ならきちんと終わらせてきてる。まあ、ちょっとばかり沖名には無理を言ったかもしれないがな」
そう言って聖壱さんはニッと笑ってみせるけれど、私は沖名さんの事が気の毒になった。きっと聖壱さんにかなりの無茶を言われたに違いないんでしょうね。
「本当に困った社長さんね、聖壱さんは。でも……来てくれてありがとう」
テレて甘えるように聖壱さんに顔を寄せると、彼はまんざらではないように私の肩を抱き微笑んで見せる。
やっぱり私も一人では心細かったのかもしれない、こうして聖壱さんが来てくれてこんなに安心してるもの。隠していたつもりの不安にも全部気付いて、無理をして私の傍にいてくれる彼に心から感謝した。
そのまま体重を測り血圧などの検査を終えると、すぐに私の名前が呼ばれ診察室へ。緊張する手を聖壱さんがギュッと握ってくれる。