ずっと甘溺愛婚 ~それでも性悪お嬢様は俺様御曹司に溺愛される~
「凄く大きくなりましたね、もういつ生まれてもおかしくなさそうです」
キラキラとその大きな瞳を輝かせて、月菜さんは私のお腹を優しく撫でている。
そんな彼女は私が悪阻で苦しんでいる時は家事を手伝いに来てくれ、寝不足だと言えば胎教にも良くて私が安らげるような音楽を調べてプレゼントしたりしてくれた。
「まだよ、月菜さん。予定日はまだ二十日ほど先なの、もう少しお腹にいてもらわなくっちゃ」
赤ちゃんは順調に成長していて、産まれる頃には三千グラムを越しているかもしれないそう。私もその日のために色んな準備をしなければと思っているけど、大きなお腹では思う通りに動けなかったり。
それでも聖壱さんの協力である程度の出産準備を終えることは出来たのだけれども。
「……それで? 結局どうなったんです、聖壱の立ち合い出産の希望は」
先程まで月菜さんの様子をジッと見ているだけだった柚瑠木さんが口を開いた。
どうやら聖壱さんが柚瑠木さんに相談したようで、私が月菜さんに話していなかった立ち合い出産について彼は訊ねてきたのだ。
「もう……柚瑠木さんには何でも話してしまうのね、聖壱さんは?」
内緒にしておいてという事も、結局のところ柚瑠木さんには筒抜けだったりするので本当に困るのよ。だけど不満そうな顔をする私に、柚瑠木さんはいつもの無表情で……