ずっと甘溺愛婚 ~それでも性悪お嬢様は俺様御曹司に溺愛される~
「ところで杏凛さん達は元気にしてるかしら? 料理教室もしばらくは通えないから、あの二人の言い合いを見れないのは残念だわ」
お腹が出てきてからは料理教室はお休みさせてもらっていて、杏凛さんとはメッセージのやり取りはしていたけれどなかなか会えずにいた。
彼女は自宅でも可能な匡介さんの仕事の手伝いを始めたらしく、最近は忙しくしているみたい。
「ええ、杏凛さんも前よりずっと生き生きしていらっしゃいます。匡介さんも相変わらずとても過保護ですしね」
「そう……変わらないのね、あの二人は」
杏凛さんと匡介さんの二人はお互いの事を意識しているように見えるのだけど、どういう訳かずいぶんと拗れてしまってるみたい。でもあまり余計な口出しをすると、逆に上手くいかなくなりそうで私達も見守る事しか出来ないまま……
「心配いらないだろ、あの二人だって上手くいくさ」
「……そうですね、聖壱の言う通りちゃんと彼らも本当の夫婦になれますよ。僕たちのように」
ハッキリとそう言い切る聖壱さんと柚瑠木さんに、私と月菜さんも頷いてみせる。私達もただの契約関係から始まって本当の夫婦になることが出来たのだもの、いつかはきっと匡介さんと杏凛さんも……
この日は夜遅くまで月菜さん達と楽しくおしゃべりをして過ごしたのだった。