好きだよ。。。
翔太が、待ちきれないような様子で

「で、つぐみにあったいいことって、何?」

と私を促す。う~ん、大したことない、って思われたらどうしよう?

「あのね・・・今日、英会話で先生のFrances(フランセス)に、英会話講師になりたいことを話したら、講師養成コースに行けるレベルにある、って言われたの。6ヶ月くらいのコースみたいなんだけど。通ってみようかな?って思うんだ」

「えっ、すげーじゃん。つぐみってそんなにできる女だったんだ」

照れる・・・。ただ、ね。・・・これは、言いづらい。

「8月からコースが始まるんだけど、そうなると会える時間がぐっと減っちゃうと思うけど・・・いいかな?」

上目遣いで翔太に聞く。私だって、翔太に毎日会いたい気持ちはいっぱいだけど、真剣に取り組まないとついて行けない。

「もっちろん!つぐみの夢なんだろ、英会話講師になるの。だったら!!応援するよ」

「嬉しい。翔太なら分かってくれると思ってた。平日に1日と、日曜日丸1日は、絶対に死守するから」

この人は、会ったばっかりだって言うのに、本当に私のことを想ってくれてるんだなぁ。翔太のためにもコース、がんばって立派な講師にならなくては。

「来月いっぱいは毎日会おうな?つぐみといろんな店、行きたい」

「うん、もちろん」

パエリアが来た。おいしそうだ。翔太と分け合いながら食べる。

「おいしい、ね」

「俺、つぐみのおいしいときの顔、大好き!」

「えっ・・・と」

どう返せばいいのだろう。

「つぐみがおいしいと俺も嬉しい。もちろん、おいしいのもあるんだけど。こらからもつぐみの『おいしい』をずっと見て行きたい。好きだよ・・・つぐみ」

「ありがとう・・・わたしも、翔太、好きだよ。翔太と一緒に、おいしいものいっぱい、食べたい」

そこで、翔太が、一瞬、間をおいて。

[・・・つぐみを食べたい。このあと・・・ダメかな?」

えっ、えっ、え~~っ??思わず、真っ赤になってしまう。それって、そういうことだよね。

「このあと、高円寺の俺のアパートに来ないか?」

翔太が重ねて言う。翔太のことは、好きだ。愛してる、って言ってもいい。けど、いいのかな、こんなに早く。私はどう?どうしたい?翔太とひとつになりたい?・・・答えはYesだ。

「うん。手土産もなくて悪いけど・・・伺うね」

「・・・マジで?やった、やったぁ…ッッ」

子どものようにはしゃぐ翔太を見ながら、1時間ほど後に肌を合わせているだろうと思うと、赤くならずにはいられない私だった。
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