飴色溺愛婚 ~大胆不敵な御曹司は訳ありお嬢様に愛を教え込む~


「えっと、その……」

 (かい)さんの言っていることに間違いはない、確かに送られてきたものの中身は悪意を感じるものだった。だけどそれを素直に話していいのか迷う、これ以上は彼に二階堂の家の事で迷惑をかけたくない。
 あの家の人間からどれだけ自分が厭われているのかを櫂さんに知られるのも嫌だった、それも今さらだとは分かっているけど。

「もしかして千夏(ちなつ)は俺に隠し事をする気なのか? 俺はこんな些細なことで二人の関係を気まずいものにはしたくないよ?」

「櫂さん……」

 それは櫂さんにとっては些細なことかもしれない、だけど私にすれば彼に嫌われるかもしれないという不安なものでしかなかった。
 それに……妹の梓乃(しの)がどういうつもりなのかも分からないままだったし……

「俺は千夏のことは全部知っておきたい。君にとって良い事だって悪い事だって、俺は全部受け止めれる自信があるから」

 いつだって櫂さんは真っ直ぐに私の事を見ていてくれている。不安に思っていることも、本当は二階堂の人たちに今だ怯えていることも気付いてそう言ってくれてるんだってちゃんと分かってる。
 そんな櫂さんの優しさに甘えてしまってもいいのか迷って末に、彼に今日の出来事を話すことに決めたのだった。


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