飴色溺愛婚 ~大胆不敵な御曹司は訳ありお嬢様に愛を教え込む~
バスルームへと連れて来られその場に降ろされると、櫂さんはドアに鍵をかけると私が逃げないようにと扉の前に立つ。ここまでくれば私だって櫂さんが本気なんだって分かる、でも……
「無理だって言ってるじゃないですか、私今までまともに男の人の裸も見たことないのに!」
「それは良かった、もし見慣れてるなんて言われたらお仕置きを増やさなきゃならなくなるしね」
なんで!? なんだかすごく理不尽な事を言われてるような気がするのは私だけ? そんな?マークを頭に付けたままの私から隙をついて上着を脱がそうとしてくる。
ちょっと待って、心の準備が! 出来る気もしないけれどせめてもう少し時間をください! そう言いかけたところで、ふと思いついた。こういう時、アレがあれば……
「水着! 水着を着させてください、それなら私でも……」
私にしてはギリギリでよく思いついたつもりだった、だけど引き籠りだった私がプライベートで水着を着るような機会などあるわけもなく。つまり……水着を一着も持っていないと気が付いてしまった。
「水着、ねえ。じゃあ俺に着て見せてくれるの、千夏」
「いや、でも……その」
今さら水着を持っていませんでしたなんて言いにくい、櫂さんが期待の眼差しを向けてくるからなおさら。しどろもどろになってしまった私の頭の上に手を伸ばした櫂さん、その手に持たれていたのはブランドショップの袋。
……まさか、その中身って?
「こんな事もあろうかと用意しておいて正解だったな、これならいいんだろ千夏?」
「用意周到すぎませんか、櫂さん!?」