飴色溺愛婚 ~大胆不敵な御曹司は訳ありお嬢様に愛を教え込む~
「櫂さんが見ようとするから気にしてるんですよ!」
「そりゃあ見るだろう? 愛しい妻の水着姿なんだ、穴が開くほど見ていられる自信があるね」
そんな事を自信ありげに言わないでください! 全然嬉しくないですから、無駄にカッコいいだけにセリフがすごく残念なものに感じる。
櫂さんはこれだけ素敵な男性なんだから、きっと今までお付き合いしてきた女性もたくさんいるはず。中には私とは比べ物にならないほどスタイルのいい女性だって……
そう考えるとますます彼の前で水着姿になるのが不安になる。そんな私の気持ち、櫂さんには通じないのだろうか?
「私、胸も大きくないですし……それにウエストだってそんなに括れてなくて」
「だから? 俺は千夏の水着姿だから見たいのであって、大きな胸や括れたウエストを見たいわけじゃないよ」
モジモジと言う私に櫂さんはハッキリとそう伝えてくる、この『千夏だから』という言葉は狡いなと思う。そんなこと言われたら、文句も言えなくなってしまうもの。
でもそれが嬉しいと思ってしまう私、何だかんだで櫂さんが自分にとって特別な存在だっていう事だから仕方ない。
「で、そろそろ覚悟は出来た?」
笑顔でそう聞いてくる櫂さん。だから、それが出来れば苦労はしてないんですってば。