飴色溺愛婚 ~大胆不敵な御曹司は訳ありお嬢様に愛を教え込む~
「でき……ました」
もうそう答えるしかなかった、きっとこのまま抵抗を続けたとしてもきっと櫂さんに上手く丸め込まれてしまうに違いない。そう諦めて手に持っていた水着をギュッと抱きしめた。
そんな私をの言葉に櫂さんは笑顔で「良い子良い子」と頭を撫でてくれたが、その後の彼の行動にギョッとさせられる。なんと櫂さんは私の前で急に来ていたシャツを脱ぎだしたのだ!
「か、櫂さん! なにを……⁉」
「何って風呂に入るんだろう? 服を着たままじゃ入れない、千夏も早く脱いだら?」
当然のようにそう言う櫂さんに唖然とする、まさかここで一緒に着替えろと? そんなの水着を着る意味が無いじゃない! それでも上半身裸になった櫂さんを直視できずに顔を背けてしまっていると……
「はは、冗談だよ。俺は先に入ってるから、千夏は準備が出来たら入っておいで。俺が逆上せて倒れてしまわないうちにね?」
そう言ってさっさと浴室のドアを開けて中へと入ってしまう櫂さん。
……つまり、私が水着姿で入って来るまで櫂さんは浴室を出る気はないと言いたいんですね? なんとか彼の前で着替える必要は無くなったものの、水着で背中を流すことからは逃れられそうもない。
私は大きなため息を吐きもう一度ビキニの水着と睨めっこした後、ノロノロと着替えを始めた。