飴色溺愛婚 ~大胆不敵な御曹司は訳ありお嬢様に愛を教え込む~
「こっちが俺の書斎で、そっちは千夏が作業する部屋にでも使えばいい。好きなんだろう、小物作りが」
そう言われた部屋はかなりの広さで、今まで与えられていた自室の二倍くらいはありそうだった。私のハンドメイドのためにか窓際に大きな机まで用意されている。
つまりここが私の部屋という事なのでしょうけれど、ここには一つ足りないものがあって……
「あの、私のベッドは……まだ届いていないのでしょうか?」
新居にはすべて揃えておくから、最低限の荷物だけでいい。そう言われて大事にしているハンドメイドの道具と少しの着替えだけで櫂さんについてきてしまっていた。
私は別に布団でも構わないのだけど、気になって櫂さんにそう聞いてみた。
「ああ、俺たち寝室はこっち。ここは俺の好みで仕上げてるけど悪くはないと思う」
そう言われて連れてこられた部屋には、キングサイズのベッドがドンっと置いてある。テレビや熱帯魚の水槽も設置されているその部屋は確かにオシャレではあるけれど……
「もしかして……私たち一緒に眠るんですか?」
さっき間違いなく櫂さんは俺たちの寝室、と言った。そう言われれば私たちは夫婦になったのだから一つの部屋で寝てもおかしくない。
「当然だろ? 俺たちは結婚したんだ、それが自然だと思わないか?」
櫂さんは当たり前のことのようにそういうけれど……