飴色溺愛婚 ~大胆不敵な御曹司は訳ありお嬢様に愛を教え込む~
「さあ千夏、どれが良い? 好きなのを選んで好きなだけ遊んでいいぞ、財布に入らないくらい両替しておいたから」
そう言って本当に百円の溢れた小銭入れを見せてくる櫂さん、お洒落なブランドの財布が可哀そうな事になってる。
でも彼はそんな事を気にする様子もみせず、私がどのゲーム機を選ぶのかを嬉しそうに待っていてくれている。
「ええっ? そんな急かされても、私はどのゲーム機がどんな内容なのかも知りませんし……」
そう、私の思い出のゲームセンターに設置されていたのは子供が喜ぶようなものばかりで、ここに並んでいるものとは全然違う。きっと上手く出来るわけない、そう思ったのが櫂さんにバレたようで……
「内容なんてやりながら覚えるんだ、こういうのは。よく言うだろ、習うより慣れよって」
「そういうものなんですか? じゃあ、私が下手でも櫂さんは笑ったりしませんよね」
これで櫂さんが笑ったら絶対口きいてあげない、どうせなら櫂さんも凄く下手だったらいいのに……
「心配しなくても俺もゲーセンは久しぶりなんだ、千夏こそプレイ中の俺を見て幻滅したとかいうなよ?」
「はい、もちろんです!」
櫂さんの言葉にちょっとだけホッとする、初心者プレイヤーが二人ならあまり気にしなくてもいいはず。そう思ってたのだけど……