飴色溺愛婚 ~大胆不敵な御曹司は訳ありお嬢様に愛を教え込む~


「はあ、なに? アンタみたいな子が彼みたいなイケメンの妻だなんて、もしかして自慢してるつもり? そんなの……」

 私の言葉に苛立った様子の女性はキツイ言い方で私を責めると、そのまま片手を伸ばしてきました。彼女の腕を避けるかどうか迷っていると、誰かにお腹に手を回されグッと後ろに引き寄せられて……

「この子に何か用? 君たち彼女の知り合いじゃないよね」

 いつの間に私の後ろのいたのか、私を抱き寄せたような状態で(かい)さんは女性たちに声をかける。彼の表情は見えないが、いつもの優しい喋り方とはちょっと違う気がした。

「あ、いえ。少しだけお兄さんとお話しさせてもらえないかと聞いただけなんです。でもその子、性格悪くて近付かせてもくれなくて……」

 急にしおらしい喋り方をしだす女性たち、さっきまでの威圧的な態度は櫂さんには見せない。しかも勝手に私が悪者みたいにされてるし、櫂さんはどう思う?

「ふうん。でも俺は君たちと話すことなんてないし、愛しい妻との時間を邪魔されて迷惑。それにね……そうやって彼女を悪者にしようとするのなら、俺が許さないから」

「櫂さん……」

 いつもよりも強く厳しい話し方に、櫂さんが私の為に怒ってくれてるのが分かる。女性たちもこれ以上は相手にされないと思ったのか、さっさとその場から去って行った。


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