飴色溺愛婚 ~大胆不敵な御曹司は訳ありお嬢様に愛を教え込む~
「あの、私はいつも思ったままの事を言葉にしてしまいます。櫂さんが聞いているのがどの言葉なのかは分かりませんが、それも私の本音には変わりません」
長い間、特殊な環境で育ち暮らしてきた私は自分の思ったことを隠すことが得意ではない。その時思った事を口にし、そのまま行動に移す。
唯一出来るのは、自分の身内から罵倒されたときにだけ無感情で無表情になれることくらい。
さすがに櫂さんも呆れてしまうのではないかと思ったのだけど、彼は……
「千夏の本心で間違いないんだな、あの言葉は。ヤバい、かなり嬉しいかも」
拳で口元を隠しているつもりかもしれないが、櫂さんの口角が上がっているのがこちらからは見えている。
そんなに嬉しいような言葉を言った覚えが無くて、私はしきりに首を傾げた。
「それじゃあ、もっと二人きりで遊ぼうか? 俺の可愛い奥さん」
肩に腕を回したようにして私を抱き寄せていた櫂さんから、髪の毛に唇を寄せられて焦ってしまう。どうしてこの人はこんなに甘い雰囲気にしたがるの?
「ま、またそういう事を……っ!」
テレて離れようとするけど、櫂さんは少しも力を緩めてくれず。遊ぼうといった本人がなかなかその場から移動しようとしてくれなかった。
それでもその後は櫂さんがたくさんゲームを教えてくれて、二人で楽しい時間を過ごすことが出来たのだけど。