飴色溺愛婚 ~大胆不敵な御曹司は訳ありお嬢様に愛を教え込む~
「どうしようかな? 千夏には随分煽られっぱなしだし」
煽る? そんな事してません、私にそんなテクニック使えるほどの経験があるわけないじゃないですか!
そんな事を考えている間にも、櫂さんの手は妖しい動きで私の身体に触れていく。彼が触れる場所がくすぐったいくて次第にジンジンと熱を持っていく。
際どい場所には決して触れていないのに、優しい櫂さんの手付きが私をおかしくしていくのではないかと思うほどだった。
それでも彼には抗えない、嫌だと口にすることは出来なかった。だって……本当に嫌だとは思わなかったから。
「いいの、千夏? 抵抗しないと、このまま俺に食べられちゃうよ?」
そんな囁きすら甘く、私を惑わせてくる。きっと櫂さんは私が「嫌だ」「止めて欲しい」というのを待っているのだと思う。
でも、そんな風に思えないの。ごめんなさい、櫂さん……
「いいって、言ったら櫂さんはどうしますか?」
一瞬驚いて目を大きく開いた櫂さんが、その後で喉を鳴らした事に気付く。それを見て自分の発言がどれだけ大胆なものかを理解したが、もう取り消せなくて……
真っ直ぐに私を見つめていた櫂さんが、何かを決意したかのような顔をして口を開いた。
「……じゃあ、キスしてもいい?」
「……え?」