俺の娘がポニーテールをする日
カズハとセンの約束
兄たちは2人とも有名私立中学に入学していたが、俺はヤンキー校に通うことを小3ぐらいから決めていた。きっかけはある一言だった。長男は当時18歳 もうすぐ19になる時だった。俺の祖父である御条グループの会長の御条秋人が俺と咲夜の生誕パーティで、今日のパーティーの主役は咲夜
だけと周りに言ったことだ。僕はときくと祖父はお前は兄さん達の部下だろう?と言われた。お前は兄さん達をささえるためにいると笑顔で言われた時から絶対に御条グループとは関わらないと誓った。それから俺は兄さん達の後ろにいるように言われた。兄たちより目立つことをするなという意味だと俺は感じた。財閥の三男だ。そうとるしかないだろう。そしてその日を境に俺は不良のように振る舞うようになっていった。母親は気づいていたようだが優秀な兄たちの未来をかんがえた時、俺にはこの立ち位置が良いと判断したんだろう。賢い決断をする人だった。とても繊細でとても強い人だった。政略結婚で嫁いだ母親はずっと男の子を産めと親せきや周りから圧力をかけられていたそうだ。実家からもさらなる発展のために絶対に産めと言われていたと俺の世話役が昔話していた。だから誠夜が生まれた時は、とてつもなく嬉しかったろう。俺の世話役の名前は、蔦尾和波。俺が赤ちゃんの頃からずっと一緒にいた。当時和波は訳あって16歳から御
条の本家で生活をしかていた。つまり俺と和波は16歳ちがう。俺からしたら歳が離れたお兄ちゃんだった。実の兄たちよりも懐いていた。兄たちは優秀で会社も継げない自分が兄たちと一緒にいることはすごく嫌だった。和波はそんな俺のことをいつも助けてくれた。本当の兄みたいな人だった。おれは和波のことをカズハって呼んでいた。カズハは俺の事をセンと呼んでいた。カズハに呼ばれるたび俺は自分が御条財閥の三男だということを意識せずにすんだ。俺は周りから御条の人間として振る舞うように言われてきた。俺は兄たちが何らかの出来事で会社を継げない時の保険でしか無かった。
俺が通うことにしていた中学は
髪を染めてたり、ピアスをしていたり、スカートがすごく短いギャルがわんさかいるような学校だった。もちろんヤンキーもいた。制服は赤色がベースのジャケットとズボンに男子なら鮮やかなブルーのネクタイに校章がはいったネクタイピンをつけるのが決まりだった。ネクタイピンのデザインは炎をイメージさせるような真っ赤な色をしていた。だからそれを見たらどこの中学校なやつか一目で分かるって
ことだ。女子はジャケットは男子と一緒で、スカートの色は菫色で校章は男子と反対で濃紺だった。女子はネクタイかリボンで色はどちらも濃い紫の色をしていた。赤と青を混ぜると紫になる。まるで一致団結の象徴 みたいだと俺はそう感じていた。俺がその中学に通うと両親に伝えたらすごく反対された。兄たちのように有名中学に通うようにと何度も言われた。 あんな不良のとこにいってどうするんだ 周りになんて言うんだと また周りのことばかり 俺はうんざりしていたから アンタたちが行かせたいのは自分達のためだろって吐き捨てた。 確かに ギャルはいるしヤンキーもいるし 髪を染めてるし、ピアスもしてるしスカート短いけどアンタ達みたいな人間と、比べたらマシだとだけ伝えといた。母親は、どうしてそんな風になったのと泣きながら俺の肩を掴み必死に説得しようとしてきたが、俺はその手を振り払い、俺は貴方に、とって大切な人ですかって聞いたら母親は当たり前よと涙を流しながら俺に言ったが、俺はそれが嘘だと知っていた。じゃあ俺が6歳の時誕生日に祝うと約束していたのに、なぜ咲夜の方に行ったんだ? 5歳の時俺は昨夜と一緒に生誕パーティに出ることを禁止された。父と祖父が決めたことだった。2人も出たらどっちが主役か分からないだろうと 誠夜は出席することが決まっていたが 俺はひとり本家
でカズハと泣いていた。母親はパーティから帰ってきて、泣きまくる俺を見て来年は千夜だからね 一緒にお祝いしようねと俺にはなした。まだ幼い俺はそれを楽しみに過ごすことにした。同い年でただ俺より早く生まれた咲夜と全くちがう扱いを受けても気にしないようにしてきた。6歳の誕生日はやはり昨夜だけのものだった。ここまで来ると俺は御条家ではいないものとして扱われていると気づき始めた。俺はそんなこと信じたくなかったが、6歳の誕生日から少したった時にカズハが、泣いているのをみてしまったのだ。当時22歳のカズハが俺に分からないように隠れて泣いているのは衝撃だった。まさか本家の人間二なにかされたのではと心配になった俺はカズハに内緒で本家に行ってしまった。実は俺は5歳の誕生日パーティの件で父から分家で生活するよう指示されていた。俺は泣いて必要に抵抗したが、それは許されなかった。母親も俺の味方をしてくれずただ俺を黙って見ていた。その顔にはいいから従いなさいという強い意志があらわれていた。その場には咲夜もいたが、咲夜は俺が誰か分からず母親にこの子誰?と目を見開かせながら母親の腕に抱かれていた。母親は咲夜には関係ないとはっきり伝えた。俺が1度も見たことがなかった慈愛に溢れた笑顔。俺はそのことを絶対に、忘れなかった。母親は誠夜と咲夜を周りに認めてもらうことに必死だった。2人が、認めてもらえないと自分が陰口を言われるからだ。跡取りを産んでも
母親の地位は安定しておらず、焦っていたのだろう。そんな理由で俺は分家で過ごすようになった。そんなわけで1年ぶりに見る本家は騒々しく、貴族のお茶会を想像させるような
とにかくみえばかりはっているようなつまらない世界に感じた。
廊下から人が来てとっさに俺は近くの部屋に隠れた。
知っている側仕えの声がした。咲夜の世話をしている女だった。つまり5歳まで一緒にいた数少ない側仕えだった。2人で何やら話している。懐かしくてつい話しかけそうになった。そこでつい聞いてしまった。ねえ、咲夜様の弟ってどうなったのかしら 表向き病弱で療養していることになってるけど、本当は違うわよね だって私、咲夜様の弟を見たことあるもの
とても元気だったわよ あれは間違いなく旦那様に誠夜様たちの邪魔にならないように追い出されたのよと
ようやく分かった。なぜカズハが、泣いていたのか あれはこのことを、知って泣いていたのか まだ6歳の俺にはひどすぎる事実だからだ。同時に俺に本家に行くことをつよく止めていたのは俺のためだと気づいてカズハの優しさに感動したのだった。それと同時に俺は本家の人間に、対する憎しみをつよく覚えた。いつか必ず後悔させるそれは俺の目標だった。
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