【完】素直になれない君と二度目の溺愛ウェディング
「つーか、何か聞いてないの?」
「や、俺は何も。 最近はほっくんとも仕事ではすれ違いばかりだし。
でもほっくんは優しい人だから困っている子を放っておけないタイプだよ?だからじゃない」
「でも私の連絡もマメに返してくれないのに、どうして仲良く城田さんなんかと残業しちゃってるのよ…」
「ややや、それは仕事だししゃーなくないか?」
「大体あの残業私がするはずのものだったのに」
ブツブツとまだ何か言っていたようだけど、要はその残業を城田さんに押し付けたってわけね?
俺の耳元ワーワー騒ぎ続けたから、取り合えず宥めるような言葉を適当に並べた。
岸田ちゃんはほっくんとの飲みの場を設けるとの事で怒りを収めてくれたが、正直彼女とほっくんは似合わないと思う。 ほっくんが好きになるようなタイプには到底思えなかった。
そう考えてみればレナの妹には一度会ってみたいものだ。
「お。」
営業部から社長室に向かう途中、携帯のメッセージを受信する。 その相手は、レナだった。
『突然だけど今日は用事あるの?仕事が終わったら会えないかしら?』と。
告白をしてから二週間の時は流れていた。 その間互いに忙しくメッセージのやり取りだけで次の約束を取り次げなかった。
俺にとっては願ってもないチャンスだ。