【完】素直になれない君と二度目の溺愛ウェディング

レナの’少しだけ考えさせて’の少しはどのくらいかは俺には想像も着かなかった。

互いに流れる時間の速度は違ったりするものだし、更にレナは深く物事を考え込むタイプだから、彼女にとっての少しはもしかしたら半年先かもしれない。

けれどそれくらい待つ覚悟は自分の中で出来ていた。 芽生え始めた気持ちをゆっくりと育てていきたい。

『ほっくんも誘う?』と一応訊いてみた。  告白の返事を二週間かそこらで貰えるとは思っていない。 先ほどの岸田ちゃんの件があって、ほっくんとも久しぶりに話をしたいと思っていた所だ。

けれど返ってきた返事は『出来るのならば二人の方がいいんだけど』だった。

プラスに脳内変換するのは得意だ。 これは…俺と二人で会いたいという事なのだろうか。 スマホで文章を打ちながら歩いていると、頬が知らず知らずに緩んでいく。

「わ…!海危ないなあー」

スマホを見ながら歩いていると、前から歩いていたほっくんと偶然ぶつかりそうになる。

「あーッ、ほっくん何か久しぶり!」

「同じ社内に居るのに中々会わないなあ。 海忙しんだろ? 料理研究家の弓香さんが海の事すっごく気に入ってるって社長が言ってたよ。
今度弓香さんにうちの商品のPRしてもらうんだろ? 海は仕事が出来て助かるって社長感心してた。」

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