【完】素直になれない君と二度目の溺愛ウェディング

「そんな女と北斗が付き合う訳ないでしょう?」

きっぱりとそう言い切ったレナはビールジョッキをぐいっと飲み干した。

ほっくんに近づく女は、レナにとって見れば天敵であるに違いない。 少しだけご機嫌を損ねてしまったから、話を切り出して後悔し始めた所だった。

「北斗は性格の悪い女は好きじゃないわ。 いくら美人であってもね。
てゆーか何よその女、感じが悪いわね。」

「入社した頃からずっとほっくんに目をつけていたみたいなんだよね。 ある意味…一途?
俺も社長室に入ってから頻繁に連絡が来るようになってさあー」

そう言うとレナは更に不機嫌そうに口を八の字に結んだ。

「あんたにも連絡が来るの? それってあんたも狙われてるんじゃないの?」

「まさかッ。 岸田ちゃんは上昇志向の強い女性だよ。 いち社員の俺なんか全然興味ないでしょう?」

「そんなの分かんないじゃない。北斗が駄目だからってあんたに行く可能性だってあるじゃないの。
で、どうなの?あんたはその岸田ちゃんとやらをどう思っているのよ」

「や、別に美人で綺麗な人だなあとは思うけどさ…」

「はぁ?!?!?!」

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