【完】素直になれない君と二度目の溺愛ウェディング
「そうそう! 俺担当なんだ。」
「勿論知っているわ。私料理本も持っているもの。 独創的なお料理でセンスが抜群なのよね~」
ホッ。
どうやら話を変えたらご機嫌を直してくれたようだ。
レナも料理好きな人間だからきっと弓香さんの事は知っていると思ったんだ。 しかし次に俺の発した言葉で彼女の機嫌を損ねてしまう事になるのだ。
「あんたが塩崎先生の担当なの?」
「うん。何か偉く気に入られちゃってさー。他の社員が一回先生に会いに行ったら不機嫌になっちゃったらしくって」
「え?!気に入ってる?!それって個人的な意味で…?」
「こ、個人的…?変な意味じゃないと思うよ。あの人結婚してるし」
(別居中だけどさ…)
レナがぷいっと顔を背けて、またビールのジョッキを一気に飲み干した。 お酒は弱い方ではないが、今日はペースが早すぎだ。
頬がほんのりと赤い。目がトロンとしてきて、それが少しだけセクシーに見えてドキッとした。
けれどどうやら彼女は怒っているようだった。