【完】素直になれない君と二度目の溺愛ウェディング

「そっか…。」

「私って実はすっごく滑稽な人間なのよ。
すごく自信があるように見えて、全然自分に自信なんかない。
昔からルナを守ってるしっかり者姉のように見せて、実は頼りない妹を下に見て優越感に浸っていたの。
それを白鳥翔に指摘されて、穴に入りたい程恥ずかしかったわ。 指摘されて恥ずかしかったって事は、図星だったって事なのよね。
ルナの事が羨ましかった。 可愛くって北斗にも好かれて、純粋で頑張り屋で。 大好きな妹だからこそ、嫉妬してしまう自分が許せなかった」

ルナと白鳥翔はあえてこの話をしない。 今が幸せならばそれはそれで良いのだと言う。
形は違えど、私のお陰で互いに会えたと言ってくれた。

けれど、私は大切な妹に対して嫉妬に似た気持ちを抱き続けた自分が許せない。 たとえ二人が許してくれたとしても、自分で自分が許せない。

海の反応を見るのは怖かった。 けれど彼は自然と私へ近寄ってきて、頭を撫でた。
夕焼けに照らされたその表情はとても穏やかで優しかった。

< 124 / 295 >

この作品をシェア

pagetop