【完】素直になれない君と二度目の溺愛ウェディング

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「え~なになに?ちょ~美味しそうなんですけど~」

初めてのお家デート。 普段から掃除はきちんとしている方だけど、昨夜は更に気合いをいれて隅々と部屋を磨き上げた。

意外にも海も綺麗好きだからだ。 

「ちょっと、後ろをうろちょろされると集中出来ないんだけど」

その言葉にお構いなしで左へ右へ行ったり来たり。  文句を言っているけれど、気分は全然悪くないわ。 むしろ気分が良い。

「めっちゃお腹すいたあー。 今日はレナちゃんがご飯を作ってくれるっていうからお昼は抜きにしたんだ~
ルナちゃんちでもカヌレ少しにしたし~」

「何それ、馬鹿じゃないの。 はいはいもうすぐ出来るから海ハウス!」

「ワン!」

犬の鳴き真似をすると、海は嬉しそうにソファーまで向かっていった。

本当にもう……笑えるわ。素直なあなたと一緒にいると、まるで自分まで素直になれそうだから不思議なの。

犬扱いされて喜んでるんじゃないわよ。 どうしてあなたはそんなに優しいのよ。  私みたいなつまらない女と一緒にいて、楽しいと言ってくれるのよ。

「おいし~い!!やっぱりレナちゃんお料理じょうずぅ~」

「こねて焼くだけですし。」


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