【完】素直になれない君と二度目の溺愛ウェディング
いつだって桜栄家の長女として、人に恥じぬように生きたいと願っていた。
父や母の期待に応えられる娘になりたいと、いつも緊張して生きてきた気がする。 けれどあなたは、そのままの私でいいと言ってくれるのね。
その気持ちがどれ程嬉しいものか、きっとあなたは知らない。
海は結局ご飯を三杯もおかわりした。 どちらかといえば細身な彼だけど、よく食べよく笑い沢山お喋りをしてくれた。
誰かと付き合うのは思っていたよりずっと居心地が良い時間だ。 それは海だったからかもしれないけれど。
お皿洗いは俺がするから、そう言ってキッチンに立つ海をソファーの上からちらりと見つめる。 彼氏ってこうやってお皿洗いをするものなのかしら?
今日一日だってさり気なく荷物を持ってくれたり、帰りにスーパーに寄ったらさらりとお金を払ってくれたり
こんなに優しくして貰って本当にいいの? 恋愛経験が皆無だから普通の男女の付き合いが分からない…。