【完】素直になれない君と二度目の溺愛ウェディング
「いやいや、ほっくんの方こそ優しいからはっきりと断れない気持ち分かるし。
あ、それよりその岸田ちゃんが言っていたけれど、ほっくん営業部にいる城田さんって知っている?
少し地味目のぽっちゃりした女の子なんだけど」
岸田ちゃんがほっくんと城田さんが残業していたと言っていた。 あんまり気にも留めていなかったけれど、彼女の名を口にするとほっくんの動きがぴたりと止まった。
「知ってるよ。 物凄く良い子だよ」
「え、そうなの? 知ってた?」
さっきまでの表情とは打って変わり、穏やかな顔になっていく。 意外だった。てっきり岸田ちゃんの見間違いか何かだと思っていたからだ。
まさかほっくんが会社のいち社員を認識しているなんて…。しかも彼女はまだ新入社員だ。
「この間たまたまちょっと話してね。 結構気が合うんだ。 波長が合うっていうか」
「そうなんだ…。意外。ほっくん女の子とあんまり仲良くするイメージなかったし」
「アハハ、確かに。 あ、そろそろお昼休憩終わるね。 俺支払いしてくるよ」