【完】素直になれない君と二度目の溺愛ウェディング
「大袈裟ねぇ、でどっちがいいの?唐揚げ?トマトソース?」
「じゃあヘルシーにトマトソースで!最近ビール腹になってきたし」
「そう?全然お腹なんて出ていないじゃない」
俺の脇腹をぎゅっと握りながらそう言った。 今日はただスーパーに付き合うだけだと思っていた。
まさかまた家に上がらせてくれるなんて、てっきり嫌われてしまったかと思ったのに嬉しい。 ほっくんの言った通り思ったより俺は信頼されているのかもしれない。
怒った様に見えたのはただの照れ隠しだったのかもしれない。 レナの事は分かった振りをしていたけれど、まだまだ全然分かっていなかった。
「やっぱり俺、お金出すよ!ただで食べるのもなんだし」
「ちょっと止めてよ。今日は私が出すのッ!」
レジではどちらがお会計を出すか押し問答。 結局レナは折れる事はなくって、彼女が支払う事になる。
マンションまでの道のりの中でもスーパーの袋を持つ持たないで揉めて、なのにそんな事さえ楽しかった。
特別な事をしているつもりなんかないのに、些細な事がこんなに楽しくて嬉しいなんて