【完】素直になれない君と二度目の溺愛ウェディング

俺の言葉にどこか納得のいかない表情をした。  長身でまるで絵本の中から出てくる王子様みたい。 実は乙女ちっくなレナちゃんらしい趣味ではあると思う。

俺は大滝昴やほっくんほど長身ではないし、どちらかといえば童顔な方だから羨ましい。 大人の男って感じがして
そんな事を思っていると、レナは意外な言葉を口にした。

「私は、海の方が優しい顔をしていると思うけど」

「ええーー?!」

「あんたはいつも優しい顔をしている。 私、あんたの笑っている顔が好きよ。いつもニコニコしてて優しそうだけど、もっと優しい顔になるの。
私はあんまりうまく笑顔を作れないから、自然にそんな顔を出来るあんたが羨ましい」

ジッと俺を見つめたアーモンド形の瞳。 嘘のない人だから、その言葉は重い。  重く優しくのしかかる。

そんな真っ直ぐな瞳をして直球の言葉を投げかけられると、こんな俺だって照れくさくなってしまう。

「それに私、別に王子様タイプが好きなわけじゃない。
断然猫より犬派だし、自分とは違う素直で明るいあんたみたいな人が好きだわ。
というか、好きになったら好きになったその人が自分のタイプになるのね。 そんなの、知らなかった。
あんたと一緒に居るとすごく癒されるの」

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