【完】素直になれない君と二度目の溺愛ウェディング

大真面目な顔をしてそんな事を言うから、俺の方が恥ずかしくなってしまうのだ。
まるでそんな事を言われたんじゃあ、俺の事が好きだって言われているみたいだ。

「ちょ、レナちゃんストップ。 それじゃあ、まるで俺の事大好きって言ってるみたいに聴こえて、勘違いしちゃう」

思わず片手で顔を覆い、レナの暴走を止めると
レナは不思議そうな顔をしてその猫目をぱちくりさせた。 困った様に眉をつり下げる。

俺きっと今顔が真っ赤だと思う。 全然素直じゃない筈のレナだからこそ、その言葉に嘘がないって分かる。 …だからこんなに嬉しいんだ。

「え?好きだから言っているんだけど…」

「は?」

「だって私海と付き合ってるし、海から女性の名前が出るのはすごく嫌だし…
私、海の眉毛はつりあがってるのに、垂れ目な瞳も好きよ?犬みたいに人懐っこく笑う顔も。
だってそういう事じゃないの? 好きになった人だから別にタイプじゃなかったけど、好きになるものではないの…?」

余りにも素直な言葉には慣れていない。 まさか付き合えるとはいっても’お試し’だとはっきり言われたし

いつかは自分を好きにさせると思っていたけれど、こんな風に言われるなんて夢にも思わなかった。

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