【完】素直になれない君と二度目の溺愛ウェディング
俺が黙り込むと、レナは不安そうな表情を浮かべる。 その後赤くなった顔をくしゃくしゃに手で拭って、小さな口をゆっくり開いた。
「この間はごめんなさい。突然だったからびっくりしちゃったの。 本当は全然嫌じゃなかった…。
でも私は全然素直じゃなくって、思ってる事と逆の言葉が出て来ちゃって。
あんな事言ってしまってごめんなさい…」
しょんぼりとして、俯く。 こんなに可愛らしい所があったなんて
まるでテレビドラマを見ているように胸がキュンキュンする。 この世にこんな恋愛があったなんて。
キュンキュンしたりドキドキしたりドラマの中の話だと思っていた。 そう考えればどれだけ俺は冷めた恋愛ばかりしていたのだろう。
今まで付き合ってきた子達だってそれなりに好きだったはずなのに、レナの取る行動や表情は新鮮なものばかりだ。
でも俺と同じくらい恥ずかしそうなレナは、ソファーの上で正座をしてぎゅっと拳を握り締めた。 真っ赤に染まった頬に少しだけ震えている唇。抱きしめたくて堪らなかった。
そっと指で頬に触れると、びくりと肩を揺らす。 さっきの言葉を思い出す。’全然嫌じゃなかった’
おめでたい勘違いもしたくなるものだ。
「ねぇ、キスしてもいい?」