【完】素直になれない君と二度目の溺愛ウェディング

目をぱちくりと開けたレナは茹でだこみたいに顔を真っ赤にさせて、口をパクパクと動かした。
可愛くて抱きしめたい。 そう思った瞬間には、細い彼女の体を自分の方へと抱き寄せていた。 

 柔軟剤の柔らかい香りが鼻を掠めていく。
俺の胸の中で顔を真っ赤にさせたレナは、大きな瞳でこちらを見上げた。

そっと唇に触れるだけのキスをすると、少しだけ体が震えていた。
どこまでも純粋で真っ直ぐなその存在を、こんなにも守りたくって愛しく思えたのは初めてだ。
ゆっくりと唇を離すと、レナは潤んだ瞳でこちらを見上げたまま唇を指で押さえた。

照れてまた顔を背けるかと思ったのに、レナは両手を俺の背中へ回しぎゅっと抱き着いてきた。
予測不能の君の行動に胸がキュンキュンしたりドキドキしたりするのは俺の方だ。

「レナちゃん?」

顔を覗きこもうとすると、胸にぎゅっとその顔を埋めたんだ。

「今顔見られたくない。私の顔真っ赤だと思うから、恥ずかしい……」

真っ赤な顔はとっくに見てるし、俺だって同じくらい真っ赤になっているはずだ。
けれどその健気さがまた愛しい。

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