【完】素直になれない君と二度目の溺愛ウェディング
「それね。 今の彼と別れてまたイチから恋愛始めるのすっごい面倒くさい。
二人の関係の基盤を作るの怠いよ。 とかいって今の彼氏と別れちゃったらめんどくなって一人でいいやーってなるのかも。
そうしたら私一生独身コースかも」
「まあ…結婚って縁だから長く付き合えばいいってもんじゃないもんね。
十年付き合っても結局別れちゃったり、1ヵ月で電撃婚しちゃう人も世の中にいるしねー」
結婚、か。 今まで恋愛経験もろくになかった私には関係のない話だとばかり思っていた。
けれど海と付き合い始めた今、自分という人間が恋愛と結婚を切り離せないタイプだと気が付いてしまったのだ。
元々少女漫画やドラマが大好きが故、妄想力ならいっちょ前なのだ。
ランチを食べ終えてポーチを取り出し鏡で口元をチェックしていると、半田さんが私の化粧ポーチへと目を落とした。
「レナさん、そのキーホルダー可愛いですねぇ」
「本当だ。 レナさんが可愛らしいもの身に着けているの珍しい!」
先日海と水族館に行った時に、彼が買ってくれたものだ。 小さなピンクイルカのキーホルダー。
彼自身可愛い物が好きらしく、お揃いにしようと買ってくれた。 ちなみに海は青のイルカをマンションの鍵につけている。
初めてのプレゼントだったから、すっごく嬉しかった。 本人に素直に伝えられなかったが…。