【完】素直になれない君と二度目の溺愛ウェディング

「はい?」

「いやあー、だからレナもそろそろどうかなあって思って。
すごく良い話なんだよ。」

目の前には何故か積み上げられた男性のお見合い写真。 こういうのって現実で本当にあるんだ…。

山積みになったお見合い写真を見て、今日父が私を呼び出した理由が理解った。 それと同時にどこにもぶつけようのない怒りがこみ上げてきた。

「レナも26歳だ。 本当に良いお話ばかりで…
ほら山吹くんの会社の次男坊とか、陸上で全国に行った事もある文武両道な方でなあ。レナとは気が合うんじゃないだろうか。
それに四代続く和菓子屋 石田製菓の次男も悪くない。 今度うちの会社と和洋スイーツのコラボをしようと話も上がっていてだなあ。」

「ちょっと…お父さん。どういう事よ」

ニコニコ笑いながら父が私に勧める相手は、某大手企業の次男坊ばかりだ。
そりゃあそうだ。 四代続くチェリーチョコレートカンパニーの跡取りは長女である私だけ。

私がいつか婿を貰い会社を継ぐのは、自分でも何となく分かっていた。 だからこそ父は本当はルナには北斗と結婚してもらい、仲の良い阿久津フーズファクトリーとの親交を更に深めようとしていた。

その父の作戦は大失敗。 ルナは父の意思とは反して、白鳥翔と結婚した。 いずれSIRATORIセキュリティーを継ぐのだろう。

< 163 / 295 >

この作品をシェア

pagetop