【完】素直になれない君と二度目の溺愛ウェディング

はぁーと大きなため息が出そうになったのを呑み込んだ。
父は悪い人ではない。

それどころか父親としても私達姉妹を心から愛してくれたし、今は亡き祖父から継いだ会社をしっかり守る社長としても優秀な人間だ。

しかし少々強引で頑固な所がある。  それが北斗とルナの結婚話が持ち上がった一件で知る事になる。

実はルナもこの父の血を色濃く受け継いでいるのだと最近感じる。

ふわりとしていて天然だけど、強引で頑固な所がある。  白鳥翔と家出同然で一緒に暮らし始めて、結局その一年後妊娠して父が折れる形になった。

ヒナが出来るまで、父は頑なにルナと白鳥翔の関係を認めなかった。 それを強引に突っぱねた形で二人は結婚した。

そして恐らく……私はそんな父の血は引いていない。 どちらかといえば私の方がルナより強引で頑固そうだけど

私は大切な時に人の顔色ばかり窺ってしまい、いまいち自己主張が出来ない。  人間関係を円滑に進めようと、親に逆らおうとはしない。

けれど、今回ばかりは譲れないわ。

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