【完】素直になれない君と二度目の溺愛ウェディング
「止めてよ、冗談でも気持ち悪いわ。 …それに私北斗の事が好きなのよ」
ヘラっと軽薄そうな笑みを浮かべていた海の表情がきょとんとし始める。
「でもほっくんはレナちゃんの事そういう風には見れないよ?」
あんたに言われなくても分かっている。 そうやって人の傷口を抉るような発言ばかりよく出来るものだ。
「そんなのあんたに言われなくったって分かってるの!でもずっと好きだったんだもの、そんなに簡単に諦めはつかないものなのよッ…」
「あーー…アレだ。 レナちゃんって恋愛経験ないでしょう?」
「なッッ…!」
ひゅっと小さく口笛を鳴らした海はニヤリと口角を上げる。
私はその場で真っ赤になってしまい言葉を失う。 それは図星をつかれたからだろう。
26年間モテなかったわけではない。それなりに男性から告白をされたりアプローチはされてきたとは思う。 でも自分が周りの子に比べたら男性にとって声の掛けずらいタイプの人間だというのも自覚している。
…それに、告白されたりアプローチされたりする男の中にタイプの人はいなかったのよ。 そう自分に言い聞かす。
自分が心から好きな男性と付き合いたい。 そしてそれが北斗だった。 また26年間彼氏がいなかった事を北斗と理由づけて言い訳をしようとしている自分がいる。