【完】素直になれない君と二度目の溺愛ウェディング
まるで全てを見透かすような透き通った瞳をしている海を前に、ゆっくりと深呼吸をして自分の気持ちを落ち着かせた。
「どーせほっくんの事を言い訳にして私は誰とも付き合わないとか意地張ってんでしょう?
ほっくんを好きなのは結構な事だけど、男と付き合うのも悪くないよ。やっぱ人生経験って大切だし
ほっくん以外の男を見たら意外と違う事に気が付くかもよ」
さぞかし女性経験が豊富な事なんでしょうね。 真意を悟られないように努めて冷静を装う。
鼻をフンッと鳴らして海を見下ろす。
「何を言っているのやら。 確かに私は北斗の事が好きだけど、今まで付き合ってきた男の中に北斗以上の男がいなかっただけの事。
お嬢様だと思って馬鹿にしてるんでしょう?
あんたは勘違いしているようだけど会社では恋愛の達人と呼ばれているのよ」
精一杯の強がりを吐きながら嘘をつく。 私は人に馬鹿にされるのが嫌いなのだ。
「へぇー…達人」
海は乾いた笑いを浮かべた。
「レナちゃんが恋愛経験豊富だったなんて超意外だけど、じゃあ俺と付き合ってみるってのもアリかもよ」