【完】素直になれない君と二度目の溺愛ウェディング
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レナのマンションに着くと、今日一日の緊張の糸がぷつりと切れたように安心した。
いつもよりレナがずっと優しく感じて、甘える俺を拒否せずに受け入れてくれた。
「かーい…!海ってば…!」
「うーん、眠たいよぉ~……」
ソファーの上で腰をおろすレナの膝に横になって、目を瞑ると安心する。
「そんなに疲れちゃったの?……休日出勤だものね、お疲れ様。」
「疲れたー。本当に疲れたよぉーー…ワインも飲みすぎた。」
「あなたそんなにお酒強い方じゃないんだから、あんまり飲んじゃ駄目じゃない。
そんなに飲ませる人だったの?」
フッと先ほどまでの切ない顔をしていた弓香さんを思い出した。 …弓香さんも自分の気持ちに素直になって、幸せになれればいいのに。
「そうなの。禿げた50代のおじさんがね、酒が強くって」
思わず嘘をついたのに、レナはくすりと小さく笑う。
膝枕をしながら、柔らかいレナの指が俺の髪を優しく撫でる。 あーーーー…すげー幸せかも。今。