【完】素直になれない君と二度目の溺愛ウェディング
「い、いいの?」
「だって私達付き合ってるし」
「そんなッ。俺レナちゃんの裸とか見たら理性保つ自信ないし!」
努めてお茶らけて言ってみたけれど、レナは真剣な顔をしてこちらをジッと見つめた。
「いいよ……。私、海になら何をされても構わないし」
もう俺の理性は爆発寸前だった。 いつになく素直で、顔を赤らめてそう言われたら…我慢していた理性つーもんもぶっ飛んでいく。
いつかこんな日が来るとは思っていたが、その日が来たらレナの事を大切に抱いて彼女にとって一生思い出に残るような時間にしたい。
そう考えていた矢先の出来事だ。 思いがけずレナに受け入れられていた事に舞い上がりそうになる。
「俺…お風呂行く前にちょっとトイレ行ってくる」
「あ、ああ。そう。じゃあ私バスタオルの用意とかしてくるわッ!」
トイレの中に入っても心臓のドキドキは止まってくれなかった。 ついに…ついに…この日がやって来てしまう。
童貞みたいに緊張してる自分が居る。
ああ、今日ついにレナとまた一歩関係を進めれる。
トイレの中にある鏡で自分の頬を両手でパチンと叩き、気合いを入れてリビングへ帰った時だった。
ソファーには下を向いて俯いているレナと、二人分のバスタオルと部屋着のセット。
明らかに様子がおかしかった。 直ぐに彼女が俺がテーブルに置いたスマホを見つめ、硬直しているのが分かった。