【完】素直になれない君と二度目の溺愛ウェディング
海を無視し続けた二週間。 仕事は絶不調だった。 新商品の企画会議でもボンヤリとしてしまって上司に注意されるし
半年に一回行われる全社員合同の会議でも話は耳に入ってこなかった。
イベントで行われる企業試食会の発注のミスをしてしまって、周りに迷惑ばかり掛けてここまで自分が恋愛によって仕事に支障をきたす人間だとは思わなかった。
そしてぽっかりと空いてしまった時間。 気が付けば海と付き合いだして仕事終わりも休日も彼とばかり居た。
だから、一人で暇を潰す方法さえ分からなくなった。 今までずっと一人で平気だったのに…。大好きなドラマを見ても、何かつまらなくって物足りない毎日だ。
恥ずかしい話、恋愛初心者の私には彼氏との仲直り方法がよく分からない。 だからルナに連絡を取って家にお邪魔させてもらっているのだ。
白鳥家では相変わらずジュリエットが強烈な歓迎をしてくれて、ロミオはそっぽを向いたまま。
白鳥翔はムカつくし、ヒナは可愛い。 何ら変わりのない平和な時間が流れていた。
「翔さん、レナちゃんに意地悪ばかり言うのは止めて。レナちゃん紅茶でいい? お母さまから美味しい茶葉を貰ったの!」
「うん…ルナありがとうね。」