【完】素直になれない君と二度目の溺愛ウェディング
「一回仕事の付き合いだって言ってキャバクラという場所に行った時は、私半日は拗ねてましたもん。
しかも翔さんったら私に内緒で行ったんですよ~?ばっちりスーツのポケットに名刺入ってましたけど!
仕事の付き合いって言ってたけど、大学の同級生と行ってたの私知ってたんだから」
キャバクラ。今は胸が痛い話だ。 キャバクラではない。白鳥翔のように仕事だと嘘をついたわけではない。
本当の仕事だったとしても、女性と二人で食事に行った事が許せない私は心が狭いのだろうか。
「…どうやって仲直りしたの?」
顔を上げたルナはいつものように花のようににこりと微笑んだ。 このどこまでも温厚な妹が怒る姿はやはり想像出来ない。
「きちんと話し合いました。互いに納得するまで。
私はそういうタイプなんです。 だって話し合わないまま仲が悪く過ごす時間ってすごく無駄でしょう?
生まれも育ちも違う人間だから考え方ももちろん違う訳で、そういう時は納得いくまで話合わなくちゃ」
ルナはいつの間にこんなに大人になったのだろう。
小さな頃は北斗と一緒に私の後ろに隠れて、泣いてばかりいたのに。
すっかり見違えるように大人になった妹に、いつまでも子供のように意地ばかり張っている自分が情けなくなってしまう。
そしてきっとルナを強くしたのは、白鳥翔に違いない。