【完】素直になれない君と二度目の溺愛ウェディング
「私、今のレナちゃんが好きです…! いつもの冷静で仕事をバリバリこなすレナちゃんもかっこいいけど、好きな人の事を想ってタジタジになっているレナちゃんはもっと可愛い!」
「ルナまで…からかわないでよ」
私だってこんなに自分が恋愛に振り回される性格だって知らなかった。 だって今まで恋愛なんてしてこなかった。
実際の恋愛はドラマや漫画のようにとんとん拍子に事は進まない。
けれど知っているんだ。 海は……ドラマや漫画のような甘い感情を私に教えてくれた人だった。
―――――
「ごめん、待った?」
「ううん、今来た所よ。 それより北斗、今日は仕事だったの?」
少し息を切らせて待ち合わせの居酒屋に現れた北斗は、スーツ姿だった。 ネクタイを緩めながら椅子に座った彼が「生を一つ」と店員に声を掛ける。
「うん、休日出勤。とはいっても午後からだけど、最近結構忙しいんだ。
ふー走ってきたから暑いなあ」
「そんなに急いで来なくても良かったのに」