【完】素直になれない君と二度目の溺愛ウェディング
「ヒナはルナにそっくりね。 本当にルナに似て良かったわ。
どこかの誰かに似たら野蛮な人間になりかねないものね」
「まあ、レナちゃんったら…!私は翔さんに似た方が良い子に育つと思いますわ。」
「そぉ?そいつに似たら目つきの悪い子供になりそうじゃない。 絶対にルナに似た方が良い子に育つに決まっているわ。
ねぇー?ヒナ?」
ルナの子供であるヒナは丁度一歳になる可愛い盛りだ。 私に抱かれたヒナは大きな目を瞬かせキャッキャッと無邪気に笑う。
その後ろで真っ黒なオーラを放ちこちらを睨みつける目つきの悪い男が一人。
「お前……そいつって誰の事言ってんだよ。」
「あらー、ヒナの父親は一人なはずだけど? 悲しい事にヒナにあんたの血が入ってると思うと気の毒になるわあ。
どうか全ての遺伝子が桜栄家の物である事を祈るばかりね」
「本当にムカつく女だ。 ヒナを返せ!」
「やだ…野蛮ねぇ~…。ヒナちゃーん、こんな野蛮なパパよりレナちゃんの方が良いでちゅよね~
本当に可愛いわあ。あんたのDNAが入ってるとは思えない。 ヒナは本当にルナによく似てまちゅね~」
「てめえ……」
「ヒナちゃーん、間違っても人をお前とかてめぇと呼ぶような大人になってはいけませんよぉ~」
「お前だって俺をあんたって言っただろうが!」
「…まあまあ、翔さんもレナちゃんも仲良くしてくださいよ……」