【完】素直になれない君と二度目の溺愛ウェディング
「俺に本気になるのが怖い?」
強がって意地を張ってしまうのは私の悪い癖だと思う。
ツンと顔を背けて精一杯の強がりを海へと見せる。
「あんた如きが私を本気にさせれる訳ないでしょう?
私が一体今までどれだけの男と付き合ってきたと思ってんの?あんたなんか遊びにもならないわ。」
一瞬目を丸くした海は直ぐにニカッと笑みを作る。
「じゃあ携帯貸してね。はいはい指紋認証してーっと。
連絡先を交換してー」
人の携帯を取り上げたかと思えばあっという間に自分の連絡先と交換する。
その時ちょうど私の自宅マンションに到着して、車が停車する。
「じゃあ、またね」タクシーの中から海がバチッと私に向かいウィンクをする。
車から降ろされてサーっと血の気が引いていく気がした。 私は何であんな嘘をついて強がってしまったのだろう…。
恋愛経験も男性経験も全くない女だというのに。
私より年下だというのにどこか余裕綽々な男を前に、付かなくても良い嘘を付いてしまった。
そしてそれを直ぐに後悔する事になるのは翌日だったのだ。