【完】素直になれない君と二度目の溺愛ウェディング
「アハハ、インターホン越しにレナちゃんがいるの見えて、びっくりして腰抜かしちゃった~ いてて」
「何やってるのよ。大丈夫?」
「うん。大丈夫。 今レナちゃんの顔見たら元気出たし!」
「…現金な人ね…」
困惑した表情を見せた後にすぐ安堵の息を漏らし、笑顔を見せてくれた。
体が震える。 私の方がずっと怖かった。 今更突然家に来て冷たい態度を取られたらどうしようと。無視し続けたのは自分なのに自己中な考えだ。
そんな自己中な私でも、こうやって海は快く受け入れてくれるから……。
「取り合えず家の中に入ってよ。 もう外寒いでしょう? ほら、レナちゃんの手すごぉーく冷たくなっちゃってる!」
さり気なく私の手を掴む海の指先は温かかった。 この温もりが大好きだ。
たまらずぎゅっと海に抱き着くと、今度は海の体が硬直してしまった。
言いたい事が喉の先まで出かかっているのに言葉にならなくって、感情だけが溢れかえって子供みたいに泣いてしまった。
「ぐ…ヒック……」
そんな私にびっくりしたのか、海は体を引き離して優しく私の肩を掴んだ。