【完】素直になれない君と二度目の溺愛ウェディング
「ちょ、レナちゃんどうしたの?!何で泣いてるの?」
「うう……」
泣いてしまったのは悲しいからとか辛かったとかではなく、嬉しかったんだと思う。
二週間もの間無視をし続けたのに、いつもと変わらず出迎えてくれる海の優しさが嬉しくって。それと同時に自分が情けなくなった。
私の頬を流れる涙を両手で拭って、今度は海が泣きそうな顔をする。
「大丈夫?レナちゃん……」
「ごめんなさい…。本当にごめんなさい」
「何がだよー。ごめんなさいって俺の方だし。 レナちゃんに嘘をついてごめんなさい。 これからは絶対に嘘はつかない…」
「そんな事…もういいの…本当にごめんなさい…。
私、海に話したい事が沢山あって…それでそれで…」
言葉にならずに涙を流す私の体を包み込むように抱きしめてくれた。 あなたの腕の中はこんなにも心地が良い。
背中をぽんぽんと叩いた海はあやすように何度も耳元で「大丈夫だよ」と囁いてくれた。
それだけで安心して体の力は徐々に抜けて行った。