【完】素直になれない君と二度目の溺愛ウェディング
◇1◇ *SIDE海* 可愛い女。
◇1◇ *SIDE海* 可愛い女。
阿久津フーズファクトリーは家庭用、業務用の調味料の製造、販売を行っている会社である。
昨今では家庭で手軽に食べられる冷凍食品にも力を入れ始めた。 冷凍餃子が家庭で作るのより美味しいと近年話題になっている。それでいて調理も簡単なのである。
俺、相馬 海は某有名私立大学を卒業した後、阿久津フーズファクトリーに就職した。 就職を決める際食品会社をいくつか受けた。阿久津フーズファクトリーに特別思い入れがあったわけではない。
たまたま何件か受けた企業の中で一番初めに内定を貰った会社だったので、ここに決めた。
一年前、社長室に移動が命じられた。 異例の抜擢だった。
会社の中枢で働かせて貰うのは嬉しい反面緊張した。 しかし生まれ持ったコミュニケーション能力を生かして慣れるまでに時間は掛からなかった。
現在は社長である 阿久津 博人の下で数多くいる彼の秘書と共に仕事をしているのだ。
「相馬くん、社長の今日のスケジュールまとめておいてくれた?」
「はい、バッチリです。 後、今日のメディア展開会議の資料もまとめておきましたので。」
「おお、さすが相馬くん。 相馬くんが入って来てくれてから仕事が楽になって助かるよぉ~」