【完】素直になれない君と二度目の溺愛ウェディング

小難しい顔をするどころか、呑気な俺に対し苛々とし始めてしまった。

水の入っていたグラスを口につけ一気飲みすると、ドンッと大きな音を出してテーブルにグラスを置く。

つりあがった瞳がこちらを睨みつけていた。

「どーしてあんたはそんなに呑気でいられるのよ?!」

余りの気迫に食べていたフレンチトーストが喉につまりそうになった。

「呑気って…」

「何よッ!海は私が誰かとお見合いさせられたり結婚したりしても何も思わない訳?!」

レナの話したかった話というのは、彼女の父親。つまりはチェリーチョコレートカンパニーの社長からのお見合い話だ。

跡取りである彼女は婿養子を貰わなくてはいけないという事で、その条件に見合った相手を数人父親から提示されたらしい。

「私はどうしたらいいのか分からなくって」とレナは酷く困惑した表情を浮かべていた。 でも俺は、そんなの余り大した問題ではないと思っている。

「重たいかもしれないけど……私は恋愛と結婚を切り離せる程割り切ったタイプの人間ではないのよ」

「そんなの言わなくても分かるよー。猪突猛進タイプだものね、レナちゃん。あはは~~」

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