【完】素直になれない君と二度目の溺愛ウェディング
「大丈夫だよ。」
「何よ、その軽い慰めの言葉はッ!父はとっても頑固なの!
それにチェリーチョコレートカンパニーは私が継がないと四代も続いた桜栄家の歴史が途絶える事になる…
そういうジレンマの中でどうしようもなくなったの。海とはずっと一緒に居たい。でも将来の事を考えれば海とはもう一緒にいられない。
ぐす……。私、ずっと海と一緒に居れる未来を夢見てしまったの…」
泣くと目が垂れ下がり、鼻まで真っ赤にするレナをぎゅーっと抱きしめたい衝動に駆られた瞬間には既に俺の手の中だった。
俺も、レナをこんなに愛するようになる予感が出会った頃からしていた。
けれどレナが俺をここまで愛してくれて、将来や未来を考えてくれているとは思わなかったんだ。
それがすごく嬉しくって、愛しい。
レナはすごく強がりだ。 けれどその反面繊細で弱い部分を持つ。
ずっと人に懐かない高貴な猫のような女だと思っていた。 けれど落ち込んで下を向き涙を流すレナは、まるで捨てられた子猫みたいだった。
強い様でいて、弱い。 そんな君にずっと惹かれていた。