【完】素直になれない君と二度目の溺愛ウェディング

「ええ……彼も早く両親にご挨拶がしたいって言っているの…」

「あらあ…!それはレナの事を真剣に考えてくれている証拠だわ。」

「それで…さっそく今週末にでもってお父さんに伝えようと思ったんだけど…」

「大丈夫。お父さんも夏のフェアの仕事が落ち着いているから日曜日なら休みなのよ。 私達の旅行はもう少し先にするわ。
じゃあ、彼を連れてきて。一緒に夕ご飯でも食べましょうよ。 お母さん腕によりをかけて作るわ!」

父の大反対は想定内だった。 だからこそ母の優しさが身に染みる。

またねと電話を切ろうとした後も父の声が後ろから聴こえた。「俺は許さんぞ!!!!!」と大きな声で騒いでいる。

電話を切った後、大きなため息が零れた。  …先が思いやられる。 ただでさえ普通の結婚とは違うのに。


―――――

その夜、海は残業だった。 何でも社長室でトラブルが起こったらしく、社員全員で会社に残っているらしい。

本当は家に来る予定だったが、仕事の合間に海は電話をくれた。

「来週の日曜日ね。おっけーおっけー!楽しみだなあー!」

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