【完】素直になれない君と二度目の溺愛ウェディング
おじ様にまで話していたなんて、用意周到というかなんというか。
私との結婚をこんなにも真剣に考えてくれていたんだ。
何をせずとも海の人間性であればモテるだろう。 阿久津フーズファクトリーは一流企業だし、何よりも海が会社で太陽のような強烈な光を放ち周囲を引っ張っているのは想像が着く。
あなたは私のような面倒くさい女や家柄に囚われずとも、もっと素敵な人と楽に結婚が出来る人だ。
それをわざわざ私が良いと言って、苗字まで変えてくれるというのだから……嬉しくない訳ない。
「海、ありがとうね…」
ごく自然に口から零れた言葉だった。
「何がだよー。つーかレナちゃんは考えすぎちゃうタイプだから明るいドラマでも見て気を紛らわしておいてよ~。
俺絶対何とかするし。大丈夫。
レナちゃんが悩んだり悲しい気持ちになっちゃうのが一番嫌なんだ。
あ!俺ちょっと社長に呼ばれてるから行ってくんね!仕事終わったら電話するよ!」